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紳士靴のカカト腰裏の修理と傷まないための予防方法

腰裏

西野です。

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さて、本日は紳士靴のはき口。
カカトの腰裏の修理についてご紹介いたします。

紳士靴のカカト修理

写真は修理したローファーの履き口。
この部分にダメージがあると履き心地が悪く
なるのでこのような形で革張りで修理します。
この部分、通称スベリと呼びます。
(腰裏とかヒールのカウンターの内側などとも言います)

スベリ部分をなるべく傷まないようにするには

1)サイズに合った靴を履くようにする
 (スニーカーのようなデカ履きをしない)

2)なるべく履くときにシューホーン(靴べら)を使う

3)シューレースのある靴は、『脱ぐ時に必ず紐を緩めて脱ぐ、
 履くときにしっかり紐を固定する』

特に3)を実行していないと必ずこの部分は傷みます。

通常ジャスト・サイズの本格靴は脱ぐときは
紐を緩めなければ絶対に脱げないはずですが、
紐を緩めに結んでスリッポンのように使っていると、
脱ぎ履きの繰り返しの強い摩擦により、
だんだんとここが傷むわけです。

ただ、以上の3点に気をつけていても歩行の摩擦は
起こるもので、直接足に触れている部分ですから、
スベリ部分のみならず小指や親指側の靴の中の
ライニングがダメージを受ける場合があります。

これは普段見えない部分ですので、時々靴の内側を
指で探ってみてください。

破れてきたらヌメ革、ピッグ・スキンなどで
パッチあて出来ますので、早めのお修理をしておきましょう。
ほおって置くとアッパー(靴の外革)まで傷んでしまう場合もあります。

紳士靴のカカト修理

このように腰裏が傷むと、月型芯が露出してきます。
これではヒールのホールド感も悪くなってしまいますね。

紳士靴のカカト修理

中敷を剥がして腰裏に新しい革を装着します。

紳士靴のカカト修理

はき口を縫製して形を整えて出来上がり。

このようなダメージにも対応できますよ。

紳士靴のカカト修理ビフォーアフター

こうした場合は似た色のカーフ・レザーで巻き直します。

靴(足)にとって内側のライニングはとっても重要なんです。
ジョンロブなどの高級紳士靴などは実はライニングに
最も良い革を選んで使うそうです。

外からは見えない部分ですが、
直接肌に触れている部分なので大切なんですね。

 

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