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画像で見る乗馬ブーツ再生への道 Part.2(筒と甲の革あて編)

画像で見る乗馬ブーツ再生への道 Part.2(筒と甲の革あて編)

こんにちは!
山の手緋色舘の西野です。

さて、本日も乗馬ブーツ再生への道、part.2です。
画像で故障箇所の再生をわかりやすくお見せするシリーズです。

甲の革あてとソール交換

画像で見る乗馬ブーツ再生への道 Part.2(筒と甲の革あて編)
before
甲とそのまわりの穴あきやダメージ(硬化によるヒビ割れなど)の革あて修理は
前傾姿勢を取る騎乗スタイルを前提に、ブーツの屈曲部分の最も大きいところなので、
その運動性をを考慮した形で直していきます。

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after
甲の革あてはソールギリギリの部分まですべて行いますのでソール交換とセットになるのが常です。
必然的に「オーバーホール」という形に近い修理となります。
まあ、「悪いところを全部直す」というようなことですね。

画像で見る乗馬ブーツ再生への道 Part.2(筒と甲の革あて編)

これももうひとつほぼ同じ仕様の修理です。

画像で見る乗馬ブーツ再生への道 Part.2(筒と甲の革あて編)

これはこのブーツのソールを抜いた内側の画像です。
親指側のライニングまでダメージが及んでいましたので、これも補修しています。

筒の革あてとトップライン、細革などの修理

画像で見る乗馬ブーツ再生への道 Part.2(筒と甲の革あて編)
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ブーツの内腿部分に穴が開いてくるのは定番の故障と言えると思います。
概ね磨耗の激しいこの部分は革が薄くなるので革あてを行います。

大切なことは
1,出来るだけ屈曲部分の運動性を阻害しない。
2,他のパーツ(特にファスナー)に干渉しないように取り付ける。

修理予算とブーツの将来性を勘案しながらオーナー様の意見をお聞きして修理内容を詰めていきます。

画像で見る乗馬ブーツ再生への道 Part.2(筒と甲の革あて編)

通常は細革およびファスナーに干渉しないように、ライニングを一度剥いで革を縫い付けていきます。
ライニングを同時にミシン縫いした場合、次回ファスナーが壊れた時にはこの宛てた革も外すことになります。
なので消耗品であるファスナーが壊れた時のことを事前に想定してこの修理をします。

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after
厚さ1.5mmの革をダメージ部分に貼って縫います。
まわりはWステッチで強固にします。
多少ブーツの自重は上がりますが、両足を同じデザインにするのも自然に見えていいですね。
ダメージのあった細革も同時に修理しています。

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before
同じく筒の革あてと細革製作です。

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作業中・・・
ダメージの大きい穴部分は先に薄い革で埋めてから本革を装着します。

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after
まず筒の革あてを行い、細革を作ります。
トップラインのスライダーカバーは、筒革あての上から再装着させます。
こうすることでブーツとして整った形になります。

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after2
細革の全体像です。ファスナーの交換もしています。
全体交換することで安定感と整合感が出ましたね。

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ファスナー付け根の「カンヌキ縫い」です。
24wという太い糸で縛るように筒の根元の中で縫います。もちろん外からは見えません。
これを施すことでファスナーと細革の付け根が頑丈になります。

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before
珍しいスクリュー型のファスナーが使われたブーツ。
やはり内側にダメージがあるので「革巻き」します。

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after
黒革とオイルヌメのブラウンを使って補強しています。
このようにブーツの縫い合わせや「エッジ」の部分にダメージがあると
そこから土や水分が浸入しますので、見つけたらすぐ手当てしましょう。

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after
最後はブーツの履き口のトップラインの修理です。
この部分がよく傷むというジョッキーの方も多いと思います。
ライニングも擦り切れたりしやすい部分なので、出来るだけ放置せずに軽症の状態でも
すぐに手を入れておいたほうがいいですね。

どうぞブーツの状態をチェックしながら、安全にも気を配って騎乗を楽しんでくださいね!

では本日は以上です。
画像で見る乗馬ブーツ再生への道 Part.2でした!

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