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BLOG
3.142016
ブーツにファスナーを付けてみるpart.2
こんにちは
緋色舘の西野です。
本日はブーツにファスナーを取り付ける修理例のpart.2ですが、
この修理はネットでの宅配率が高いんですよね。
お客様とはメール、お電話でどのような形となるかをご相談させて
いただいておりますが、修理例をこうした形でネット画像で見ていただいた
ほうがイメージはしやすいですね。
というわけで本日はpart.2でより具体的に迫ります!(笑)
まずは英国製Dr.マーチンですね。
驚きの14ホールのロングブーツ!
さすがにこれを脱ぎ履きするのは大変にもほどがありますね。
でも存在感は抜群。ファスナー装着で簡易に着脱できたら出番も多くなりそうです。
では修理工程をご紹介。
お客様のご要望で今回は比翼仕立てにします。
ファスナーを上げる(閉じる)と見えなくなる仕様ですね。
一本切り込みを入れるだけ。
何度か線を引きなおして最良のポイントを探ります。
Dr.マーチンは外羽根の切り替えしに太い糸でステッチが3本入っています。
これはチェーンステッチになっているので、その手前まで切り込みを入れます。
切った後ファスナーを装着していきます。
今回は金属ファスナーのガンメタル色。
黒のワークブーツにはこの金属ファスナーが重厚感があり良く合いますね。
でも好みでナイロン・ファスナーを使うことも可能。ご指定出来ます。
革を切り出して「風防」というパーツ(足に直接ファスナーが当たらない
ようにするカバー)を作ります。
だいたい靴本体か、ライニング(内張り)基準の色を使います。
最後にファスナーの付け根を0番手の太い糸でカンヌキ留めします。
根元はV字カットなので裂け防止の意味があります。
出来上がり。
比翼仕立てはシックなので元の雰囲気にそれほど干渉しないですね。
茶のプルアップレザーで出来た8ホールのマーチン。
これもかっこいいですね!
同じ金属ファスナーですが、エレメントの色はアンティーク。
茶には金系が合いますね。テープ部分の色はソールやひもなどにあわせて黒で。
次にコーチ・ブティックのロングブーツ。セパレートでスエード使いが印象的ですね。
ワーク系から一転して、ドレス系ですがこれはこれで履きにくい。
とにかく足首まわりはシェイプが強くて、ヒールも高い。細い。当然シルエットはキレイに見える
のですが、反面カカトがつかえて履きにくいですね。
このような場合は部分的にファスナーを付けることで履きやすさを上げることが出来ます。
スエードとの切り替え部分にファスナーの通り道(窓)を作ります。
出来上がり。出来るだけミニマムに仕上がるよう取り付けは
ライニングも一緒に縫うシングルステッチで。
ナイロンのコイルファスナーをお付けしました。
この手のブーツには金属製は重たい感じになりますね。
ブッテローのジョッキーズ風ブーツです。
ファスナーは付いているのですが、かなり脱ぎにくいということで・・・
元のファスナーの通り道を利用して全開仕様にします!
ということで途中までは比翼仕立て、上半分は窓の開いた状態に。
ファスナーの出幅とライニングの縫い方を少しテーパードさせて、
筒幅に少しだけ余裕が出るよう仕上げてあります。
完成。本格的な乗馬ブーツに近い重厚感で、履き口もシェイプ
してあるんですね。これで着脱は楽になったと思います。
ちょいと写真が悪くてわかりにくいのですが・・・
最後にミネトンカのフリンジブーツ。
フリンジを部分的に外していって、切り込みを入れます。
これは半翼仕立てです。
片方にだけ蓋があるような珍しい感じになりました。
フリンジを出来るだけ残した状態にするためです。
最後の一番上の大きいフリンジは、巻き込む形で0番手糸で手縫いしました。
さて、一応記事はこれで終わりです。
part.1とpart.2でいろいろなタイプをご紹介できたと思います。
シチュエーションに応じてオーダーをお受けしますので、ご参考に
なれば幸いです。
そしてお修理のご利用の皆様、改めてありがとうございました!
本日は「ブーツにファスナーを付けてみるのpart.2」
以上です!