ブログ

緋色舘のクラークス オールソール交換修理

クラークスのソール交換特集

こんにちは!
山の手緋色舘の西野です。

もはやジングルベルの季節ですね・・・。(–,)

久しぶりの更新となってしまいましたが、本日は当店の修理一番人気のクラークス ソール交換
について、お伝えしたいと思います。

11月より、インターネットでのお問い合わせ窓口を一時的に中断致しておりますが、
9月下旬よりクラークスのオーダーが加速度的に増加し、やむを得ない事態となりました。

現在、鋭意作業中です!
来年1月中旬にはインターネットお問い合わせもまた再開出来るかと思います。
ご利用のお客様にはご迷惑をおかけし、大変申し訳ありません。
決定次第また当ブログにてお知らせ致します。

クラークスのナチュラルクレープ ハイブリッド仕上げ

クラークスのソール交換特集
クラークスのソール交換特集

クラークスオリジナルのデザートブーツ
スムースレザー ブラウンです。

60年代のアイビーカジュアルの定番シューズとしても世界的に有名になり、今もこの形が最もクラークス
を代表する靴になりましたね。
天然クレープソールの履き心地はいわゆる「休日靴」としてのリラクシンだと私は思います。
立ち仕事で使ったり、ガンガン歩く方はvibram系の合成ソールに利点がありますが、
こちらの履き心地もまたカジュアルに使うというTPOからは捨てがたいものがありますね。

ということで(どんなだ

本日はその修理過程を大公開!
緋色舘ならではのハイブリッド、オリジナル仕様です。

クラークスのソール交換特集

まずはソールの底縫い糸を抜いて靴をばらします。
ソールには中底としてフェルトが使われていますが、より耐久性のあるショルダー革に交換致します。

クラークスのソール交換特集

こちらがショルダー革3.5mm厚の原皮です。
これを中底として使います。

クラークスのソール交換特集

まずはリーマーというサンドペーパーが回転する機械で表面をバフがけします。
こうすることで通気性を向上させて足当たりが良くなるわけです。
革は「呼吸する」と言われますが、それは履いている時は発汗を吸収し、脱いでいる間にその湿気を放出する
といった効果を指しています。
なのでインソールおよび中底などの足に直接当たる部分に最も上質の機能を持った革を使うことで、
靴の快適さは変わってきます。

クラークスのソール交換特集

次にこの中底を足の形に添うように木槌で叩き出しを行います。
ヒールの中心、およびボールと呼ばれる足幅のある部分の湾曲を形作ります。

クラークスのソール交換特集
クラークスのソール交換特集

革包丁で一気にミッドソールの型をくりぬきます。
俗に言う「クリッキング」

ミッドソールの計測を慎重に行い、躊躇なく一発切りしないと正確にソールの形成が出来ませんので、最も
気を使う作業です。

クラークスのソール交換特集

アッパーに切り出したミッドショルダーをセットします。
この後ステッチングとなりますので、あくまで縫い線ベースで考えてこれをあわせます。
製作ではこのときから木型(ラスト)が入りますが、修理ではミッドの形状と縫い線をベースに
これを考えて行います。(私の場合は)

クラークスのソール交換特集

これにまず3mmの天然クレープを張り合わせます。
ここまでがミッドソールとなります。

クラークスのソール交換特集

さて、ここまで来ていよいよステッチングです。
まずは縫い糸にミツロウでロウびきをします。
ステッチャーの針の圧力で糸切れを起こさないようにするのと、縫いあがりの強度を保つためです。

クラークスのソール交換特集

これがステッチング
アッパーの縫い線(というか厳密には針穴)を完全にトレースします。
手縫いしているのはこれを再現する必要があるからです。
もちろん機械縫いでもやれなくはなく可能なことですが、正確性という意味においてはこちらを選択しているのに
意味があります。

ひと針ごとに糸を締めていくので当然時間がかかりますが、これはこだわりではなく、他に合理的な選択肢がないので行っています。
ただ、クラークスの修理に時間がかかるのはコレだけではありません。
では、この後の工程もズームしていきましょう!

クラークスのソール交換特集

縫いあがったミッドにアウトソールを取り付ける準備をします。
天然クレープは単に接着剤のみで張り合わせ出来ないので、「プライマー」という溶剤で下処理をします。
こうして乾燥と接着を繰り返しながらだんだんとソールを形成させていきます。

クラークスのソール交換特集

アウトソールに使う9mmクレープの板です。
これを切り取ってソールにします。
年々この素材価格がジリジリ上がっていってますので、今後も同じようなことを続けていけるのかと
不安になることもありますね。

クラークスのソール交換特集
クラークスのソール交換特集

ミッドソールに革+クレープを使っているのはこのアウトソールとの接着に強度を持たせるためです。
この工程がステッチダウンですね。

クラークスのソール交換特集

ソールが付いたらコバ周りの荒処理をしてヒールの取り付けを行います。
デザートブーツの場合、約13mmの高さになるように15mmのクレープ板を切り出して使います。
これもプライマー処理+接着を行います。

クラークスのソール交換特集

ちなみにデザートトレックやワラビーなどはミッドソールにこの15mmクレープを装着して
ミッドヒールとして切り出しをします。アウトソールはこのあとでつけることになります。

クラークスのソール交換特集

修理用マシンでソール全体を整えます。
このとき通常のゴム素材はブロアーで集塵しますが、クレープは機械に吸い込ませると
粘つくクレープ片でファンが故障しかねないので切り屑を処理するのが大変です。
これもクレープの修理を受付ないお店が多いことの一因ではあると思います。

クラークスのソール交換特集

クレープをカットするのに必要な離形剤です。
シリコンスプレー
こういうものも必要なのでいちいち手間がかかります。

クラークスのソール交換特集

ヒールを形成したらここからさらにハイブリッド仕様にします。
磨耗の大きい部分に強度のある合成クレープをはめ込みます。
これにより、より安定したヒールになるので緋色舘ではこの方法を採用しています。

クラークスのソール交換特集

これでいよいよ最後のカットを残すのみ。(笑
ここから全体の総仕上げをします。

クラークスのソール交換特集

ソール全体をカットしてもバリが出ますのでこれも処理。
奥が処理後、手前が処理前。

クラークスのソール交換特集
クラークスのソール交換特集

ソールが仕上がった後の中底はこんな感じなので、パッドを敷いてからインソールを元に戻します。

クラークスのソール交換特集

ミツドソールの革コバ部分にインクで色を入れてディスク機材で色を整えます。
これはクレープ部分には色を乗せないセパレート仕上げです。

クラークスのソール交換特集

完全な出来上がりです。
コバの縫い目の形状(ピッチ)などが修理前のものと同じですね。
仮に出し縫いマシンで縫い上げるとこのピッチが細かくなってしまいます。
縫い線がズレなければそれでも問題はないと思いますが、非効率もはなはだしいけれど(笑
やはりこの方が私には良いように思います。

クラークスのソール交換特集
クラークスのソール交換特集

バックスタイルと全体像です。

クラークス
デザートブーツ ナチュラルクレープ ハイブリッド仕上げ
コバ セパレートスタイル

以上、緋色舘でのクラークスの修理工程のご紹介でした!
手が早いとは言えない私の修理を根気良く待っていただいているお客様に本当に感謝いたします。

来年もよろしくお願い致します!

関連記事

最近の記事

山の手緋色舘の宅配修理

カテゴリー

アーカイブ

ページ上部へ戻る