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BLOG
8.222025
Church’s(チャーチ)チェルシーブーツのファスナー取付

こんにちは!緋色舘の西野です。
8月も終わりに近づいてきましたが、まだまだ残暑きびしく・・・。神戸はまだましかもですが、40℃とか?信じられないですね。
早く涼しくなって欲しいです・・・><;
ということで前回の続き(?)↓的なサイドゴアブーツのファスナー取付について今回もご紹介します。
■ 難易度が高いドレスシューズのバックジップ仕様
ワークブーツと違ってドレスシューズにファスナーを取付ける場合は、土踏まずの絞りなどの遊びのないフィット感であったり、それをささえるフォルムのシビアさが当然のごとくありますので、取付けに一定のリスクがあると思います。
ファスナーを取付けるのは履きにくさの解消のためですが、取付けてその時履きやすくなればなんでもいいというものではなく、靴としての完成度が高いクラシックなタイプの靴には、それ相応の配慮をもって臨みたい、お客様ともリスクや使い勝手について十分な打ち合わせの上で作業を開始していきます。
クラシックな靴=
長年に渡って定番と謂われる形に洗練されたフォルムが特徴的な靴
Gucciやフェラガモなどにもベストセラーと呼ばれる定番の靴がある


Church’s(チャーチ)チェルシーブーツ
顔つきとしては装飾のほとんどないプレーンさが特徴ですが、それだけにごまかしの聞かないデザインといえます。ドレスシューズへのファスナー取付はとにかく出しゃばらず、靴のイメージになるべく干渉しないというのが鉄則。
■サイドゴアブーツにファスナーを取付けます


補強に使われているナイロンテープなどが交差するようにパネルゴムを守っています。
力の掛かる部分にはこのような仕様がなされていますので、再縫製する時は元に戻すことが前提で糸をほどいて行きます。

ブーツの背面にファスナーを埋め込むようにくりぬきを入れて取付けます。
使用ファスナーはYKKエクセラ#5SG black
この時ファスナーが通っているヒール部分(カウンターといいます)には月型芯という硬い芯があり、大事なヒールをしっかりと支えているのですが、
ファスナーを通して開く仕様にするため、この月型芯を約半分程度カットして取付をします。

カウンター部分は丸く、足首に近い部分に向けてくびれるようなシェイプが見えると思います。これがドレス仕様のフォルムといえると思います。


パネルゴムを整理しながらファスナーのとおりが不自然にならないよう取付を行います。



完成。
バックジップ式はファスナーを降ろすと扇状に開いて足を受け入れるようにならないと使い勝手が悪いです。そのためにはヒールの支えを内側で少し切り落としたりします。
定番の靴というのは長く使えるよう、しっかりと作ってあります。
なのでファスナー取付の利便性と、クラシックの良いところをうまく両立させていくことが当方の仕事と思っています。
では本日は以上です!
Church’s(チャーチ)チェルシーブーツのファスナー取付でした。