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履きにくいブーツにファスナーを付けてスマートに!

靴のファスナー取付

寒いですね。
西野です!

靴屋さんの店頭ではもう春物がじゃんじゃん
出てる頃合ですが、まだまだリアル季節感は真冬ですね。

ということで季節はずれにならないうちに、
本日はブーツのカスタム修理のお話です。

着脱に難儀する靴ってありますよね・・・。

たとえばこのサイドゴア・ブーツ

靴のファスナー取付

anbiorixの紳士ブーツです。
歩いてるときはいい靴なんですが、とにかく履きにくい、脱ぎにくい。
もちろん僕の私物です。

朝、急いでいる時とか、絶対に履こうとは思いません(笑)
シューホーンを靴に突っ込んで片足履くのに悪戦苦闘・・・。

脱ぐのにも最低2~3分はかかりますね。
靴を買う時にはあまりこういうことは考えずに選んでしまうものなんです。
というのも靴はデザインと履いた時の感じで選んでしまうからなのでしょうね。

さてさて・・・こういう悩みは僕だけではない(笑)

ということで、我慢ならない履きにくい、脱ぎにくいブーツも、
ファスナーを付けて着脱を容易にしてしまうことができるものもあるんです。

ではカスタムしていきましょう!

靴のファスナー取付

イタリア製のデザイン・ブーツ
筒型で足首側よりふくらはぎ側(履き口)のほうが狭いというルーズ・フィット。

靴のファスナー取付

これはさすがに履きにくいですね!
オーナーさん曰く「何回も電車乗り遅れた」(爆)
なんとか履きやすくならないかというお話でした。

ということで内側にシーム(継ぎ目)がありますので、
ここにファスナーを付けることになりました。

靴のファスナー取付

はい、まずは継ぎ目の糸をほどいていって、
ファスナーが付けられるぶんの幅の筒をカットします。

そしてファスナーを装着したのがこの画像。

靴のファスナー取付

さて、ここからファスナーを固定する縫い目を入れます。
ここが最も難易度が高い部分です。
これは縫い線を引いているところです。

この線を一定のピッチで慎重に縫い進んでいきます。
一本目のこのステッチが真っ直ぐでないと、
さらにその外側を縫う二本目も上手く走らなくなります。

靴のファスナー取付

二本目のステッチ。
これは一本目より難易度が低いので緊張感なく縫っています(笑)

このステッチでライニング(内張り)と
風防(ファスナーの内側につける細革)を纏めて縫いとめます。

ミシンワークが終わったら、余ったライニングをカットして形を整えます。

靴のファスナー取付

これで出来上がり


続いて今度はバリーのサイドゴア・ブーツ

靴のファスナー取付

いわゆる新品ですね。
一回履いただけで着脱が相当厳しいと思われたそうです。

かなりの細身ですからねえ。
なかなか手ごわいです。
オーナーさんはサイドにファスナーを付けるのがご希望でしたが、
これは構造上は難しいものがありました。

よって大胆にもフロントにファスナーを付けるのが
最も良いと判断し、ご提案しました。

靴のファスナー取付

まずはバッサリとフロントに包丁で切れ目を入れます。
ここにファスナーを付けるわけですが、今回はファスナーが
靴のデザイン上目立たないよう比翼仕立てにします。

靴のファスナー取付

V字型のカットなので、ファスナーの開け閉めにかかる力を受け止めるよう、
V字の終点に太い糸でカンヌキ留めをしてからファスナーを装着します。

靴のファスナー取付

仕上がりこんな感じです。
ファスナーを閉めると革が閉じた感じでファスナー面が、
むき出しにはならない仕様です。

靴はやはり実用品といえます。
履いて使って初めてその真価がわかるというものだと思います。

履きにくいものもカスタム修理することで眠らせることなく
使っていくことも可能です。

「こういうふうに使ってみたい」的なカスタム修理。
いろいろご相談くださいませ。

では本日は以上です!

 

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