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トリッカーズカントリーブーツお手入れと修理のヒント(その2)

トリッカーズブーツお手入れと修理

西野です。

それでは前回に続きましてトリッカーズの特集。
本格的でベーシックな手入れについてのヒントです。

 

ブラッシング

トリッカーズブーツお手入れと修理

まずはシューレース(靴ひも)を取り払ってからブラッシングします。
必ず靴ひもは面倒でも取りましょう。

片足について一分以上はしっかりブラッシングします。
この時使うブラシは毛並みがたっぷりある大きいブラシを使うと効果的です。

トリッカーズブーツお手入れと修理

コバまわりや底に付いた土ほこりも徹底的に落としておきましょう。
なんといってもカントリーのお手入れにはブラッシングが重要です。

メダリオン(穴飾り)がアッパーの至る所に施されているので、
いわば靴の革表面には凸凹が沢山あるわけです。

この部分に埃やいらない汚れなどが溜まってしまうとシミや革の変質の
原因になります。
なのでブラッシングに始まり、ブラッシングに終わるといってもいいほどに
お手入れの『基本のキ』となります。

 

スキンケア

トリッカーズブーツお手入れと修理

ペネレイトブラシを使ってデリケート・クリームを塗っていきます。

トリッカーズブーツお手入れと修理

靴クリームを使う量よりも気持ち多い目使います。
このようなミニ・ブラシを使うことでデリケートクリームを満遍なく
伸ばしていくことが出来、凹凸のある表面にもムラなく浸透させることが出来ます。

トリッカーズブーツお手入れと修理

デリケートクリームを塗り終えたら、
少し乾かしてから(2~3分)布でふき取っていきます。
このときにいらない汚れも同時にふき取る効果があります。
デリケートクリームを定期的に使用することで、革に必要な栄養を補って、
柔軟性を保つことが出来ます。

保革することで革は弾力性と柔軟性を100%発揮しますので、
理屈的にはこすれてもキズが入りにくくなります。

 

靴クリーム

トリッカーズブーツお手入れと修理

ここから靴クリームを使っていきます。
使用するのはモブレイのクリーム・ナチュラーレ

ほとんど天然成分のみで構成されたクリームです。
正直あまりツヤ感の出るクリームではありませんが、
カントリーのような靴に使用してみると初めてその良さがわかります。
やはり良い革には上質なクリーム。
使い続けると実感できますね。

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こちらもペネレイトブラシを使って塗っていきます。
のの字を描くように少量づつ薄化粧する要領で塗りましょう!
コバまわりなどもしっかりとブラシを動かしていきます。

今回使っている色目はダークブラウンですが、
ふたを開けると結構深いブラウンだなと思われると思います。
このエスプレッソ色にはぴったりです。

トリッカーズブーツお手入れと修理

満遍なくクリームが行き渡ったら、またブラッシングします。

今度は毛足が硬めのもの(化繊や豚毛)でクリームを伸ばし、浸透させ、かつ、
余分なクリームが靴の表面に残留しないように払い落とすわけです。
靴にとって余分なクリームが残るのは百害あって一利なし。

通気性を遮断したり雨などのあたると逆にシミなどの原因になります。
ブラシのグラインドを大きめにとってシャッ、シャッとブラッシングしましょう。

トリッカーズブーツお手入れと修理

次に白布(必ず白布がいいです)を使って、さらに革表面に残ったクリームを
ふき取ります。やさしくなでるような感じでふき取ってください。

白布にクリームが落ちて色が付いてきたら、当てる布の面をずらして、
ほとんど白布に色が移らなくなる程度まで続けます。

まあ、疲れない程度にあまり神経質にならずに行います。
最初の段階でクリームをベタ塗りしてしまうとこの工程で手こずることに
なりますので、靴クリームはなるべく必要最小限で乗せるようにするのが
ラクなお手入れのコツです。

 

仕上げ

トリッカーズブーツお手入れと修理

最後にグローブクロスで軽く磨いて終了です!
エスプレッソはもともとマットな感じの革質ですが、
嫌味のない自然なツヤ感が得られます。
グローブクロスの代わりにフランネルやフリースなどの
柔らかい繊維の布を使ってもいいですね。

トリッカーズブーツお手入れと修理

靴ひもを通しなおして出来上がり!

こんな感じのお手入れを定期的(月イチとか、気が付いた時)にしておくと、
普段は柔らかいブラシや簡単なからぶきなどで十分OKです。
急に雨に当たっても心配ありません。
革の含有水分の量が安定しますので、
いらない汚れを革が吸い込んだりすることはありません。

トリッカーズブーツお手入れと修理

泥はねなどが起こる、よりハードな環境での使用の場合はワックス系の
防水スプレーをふりかけておくと手入れがラクになります。

画像はWOLYのシューワックス(ヒマラヤワックス)

アウトドア系ブーツやこのカントリー、表革仕様のクラークスなどにもいいですね。

トリッカーズブーツお手入れと修理

ちなみに本日の私の足元。
こちらもトリッカーズのカントリーです。

穴飾りのないプレーンなタイプ。M2508ラストよりも少しワイズ広めな感じですね。
プレーンタイプなのでつま先部分はちょっとWAX使ってツヤ感を強調した感じ
の手入れを行っています。でも基本は今日ご紹介した方法と変わらないですね。

買ったのはたぶん15年程度前ですので、よく持ってくれていると思います。

靴を長持ちさせるも履きつぶしてしまうのも、やはり扱い方次第だと思います。
良い手入れと自分の使い方に合わせた良い修理が必要ですね。

『10年以上履きたいんだけど、何に気をつけたらいい?』

ときどきこのような質問をお受けする場合があります。
靴を大切にする方が増えてきてる証ですね。

今回の記事特集がそのようなことのヒントになりましたら幸いです。

 

ではトリッカーズ特集パート2
本日は以上です!

P.S/あと一回ありますのでトリッカーズお好きな方はまた近日中にご参照ください。

関連記事矢印トリッカーズ特集パート1はこちら ⇒⇒⇒
関連記事矢印トリッカーズ特集パート3はこちら ⇒⇒⇒

 

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