婦人ロングブーツにファスナーを取り付ける

こんにちは。
山の手緋色舘の西野です。

本日のお題は「履きにくいブーツにファスナーを付けてみる」レディス編です。

ロングブーツのファスナー取付例

秋冬シーズンはロングブーツをすんなりと着脱するのはツライ時がありますね。
ファスナーを取り付けて楽に脱ぎ履きできるようになると、
出番も増えるアイテムもあることでしょう。
ただしどんなブーツにでも取付が出来るわけではないので、
画像でご紹介する例をご参考に、お問い合わせください。

エルメスのジョッパーブーツです。いわゆるボックス型の乗馬ブーツが原型となります。当然剛性が高く、しっかりとした作りです。
足首もシェイプされているので、ジャストサイズで履くとシルエットの美しさは見事ですが、すんなり着脱出来る人の方が少ないかも知れません。

ファスナー取付のカット線はブーツのデザインにより、その長さや位置が決まってきます。
ソールに限りなく近くまで設定出来ればよりスムースな着脱が出来そうですが
デザインに対してあまり無理な位置や角度に付けようとすると、壊れたり、
ファスナーが引きにくいという
現象が起こったりします。

存在感のあるひざ上丈のBoots

メンズで最も履きにくいのがエンジニアブーツとしたら、ご婦人物ではファスナーの付いていない
ニーハイ系のブーツがそれにあたるでしょう。
トップラインに折り返し装飾が付いていたり、ベルトなどが通っているものもあり、
扱いも難しいものがあります。

これはファスナー取付ではありませんが、こういうカスタムもアリということで・・・
無理なく出来るデザインであれば筒カットもお受け致します。

ジミーチュウの型押しブーツ。
ミクロピラソールでハーフソールも追加修理しています。
使用したファスナーはエクセラのゴールド/ダークグリーン
足の長いモデル体型の方御用達のブーツという感じですね。
全体的に細くシェイプされています。

メンズと違ってレディスは様々な色目の物もあるので、
ファスナーのテープの色を本体に合わせたり、エレメント（ファスナーのメタル）
との組み合わせで雰囲気が大きく変わるので、お付けするファスナーを
YKKさんに別注することが多いです。
エクセラは特にYKK工場に発注をしますので入荷までに時間が掛かってしまいます。
オーダーは納期の余裕（1.5～2か月）をもってお早目を心がけてください。

ブルネロクチネリのロングブーツ～クラークスのショートブーツ

いろいろなロングブーツのファスナー取付を見てきましたが、
次は少しひねったものも。

サルトルのサイドゴア（エラスティックブーツ）は通常ファスナー取付は出来ません。
今回は修理前の段階でオーナー様があまりの履きにくさにエラスティックゴムに切れ目を
入れてしまわれたので、止む無くその部分にファスナー取付をしてみました。
全体的に刺繍も入っており、本体にはファスナーを通すところもないので
ケガの巧妙もあった珍しい例。

クラークスのスポーティなヌバックブーツは筒に弛みを付けたルーズフィットです。
バックサイドに寄せながら角度をつけてファスナーを通しました。
上三足ともに柔らかく引き味の軽いナイロンファスナーの特徴を生かした整形です。