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新ビンテージスティールとつま先の修理

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

緋色舘の西野です。

コロナ禍で巣ごもりなどと言われてますが、そろそろ人の移動やソーシャルディスタンスを守りながらのリアルな人と人のつながりも増えてきたようですね。

英国ではまた再度の都市封鎖となり、これから寒くなりますし油断はなりませんね。緋色舘でも手指消毒アルコールの常備や換気などに気を配っております。

さて、本日は靴のつま先の修理について。

靴もワードローブの重要な位置を占めています。底材は消耗品なので、減ったら補うか、減る前に手を打っておいてアイテムを守りましょう。

「人の足元を見る」という言葉はあまり良い意味には捉えられませんが、こういう時期ですので、人と会う機会が限定され、外出の一期一会は今まで以上に気配りも必要ですね。

良い物は長く使う そのためのご提案など、緋色舘にお任せください。

新ビンテージスティール

Luluスティールが廃盤となり、代替として新しいビンテージスティールが入荷しております。全サイズ揃っていますのでお気軽にお申しつけください。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理
新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

特にデザインの変更もなく、使用してみた感じはメタル感がluluよりややハードですね。問題なくオススメ出来ます。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

こちらはまだ在庫のあるlulu版。vibramのシモンソールとのクラシックな組み合わせ。ダブルソールにはベストな構成ですね。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

エドワードグリーン

つま先の摩耗がありましたのでオークバーグ革をアタッチしてから取付。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

これはトライアンフスティールをオールデンに取り付けました。ゴールドのメタル感が美しいですね。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

サントーニです。

vibramシモンソールでハーフソール修理。

シモンはvibramの中でも特にクラシックな名品で、グッドイヤーのコバが張った靴にとても有用な機能を備えています。50代以上の方には割と馴染みもあるかと思います。

ご婦人用パンプスなどのハーフソール

新規で靴を買ったら、特にハイブランドのものはレザーソールがエレガントに薄く作ってあるものが多いので、ハーフソール修理を施してソールを守ればつま先から摩耗してソールから本体に穴が開いたり、滑って歩きにくいなどのアクシデントを避けられます。

尤もブランドの品格を台無しにするようなやっつけ仕事はいたしません。

どんな靴にもそれぞれ個性があり、ソールの状態があり、その靴と履かれるオーナー様のご希望を考慮してベストな修理をご提案いたします。

なので必ずお持ちになって最低一日は預けるおつもりでご来店ください。

マルジェラのタビシューズは親ゆびのところに切り込みがあるので、ここを胡麻化してハーフソールを付けたら靴として元のデザインの意味がありません。街歩き用にスペルタのような本格派のバレエシューズを下す時は、ハーフソール+リフト(ヒールゴム)を付けておくのが一般的です。何もしないでそのまま履くとアスファルトでソールとヒールが削れて、あっというまに寿命が縮みます。そもそも踊る為の床で使う靴ですもんね。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

Hermèsのジョッパーズ。

元々の起源は乗馬靴なのでややがっしりとしたソールを使用しています。それに合わせてハーフソールもvibram Exp’ソールの1.8mmを使用しました。

ハーフソールにも靴との相性があり、一律同じことをするわけではありません。

以下、つま先を補強しながらのハーフソール修理です。

つま先のアタッチ+ハーフソール

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

Chanelですね。シルバーの方はある程度履き込まれているのでつま先が摩耗しています。

なのでレザーを継いで(アタッチする)まずはハーフソールがまっすぐに張れるように加工を致します。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

減った部分をもし無視してハーフソールを張るとその部分は陥没したままになります。このようにハーフソールを装着する意味は、補強や滑り止めですが、靴が正常に機能するようトゥ(つま先)に安定感を出すのに必要な修理です。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

after

靴の個性に合わせて薄めのvibram ガンマソールを使用しました。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

こちらはアシックスのラバーソールのサンダル。

つま先の厚みが減ってきたのでハーフコーナー(先ソール)という傾斜版修理になります。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

ヒール部分も滑りにくく強いハイパーVという素材で仕上げました。こうしたウエッジ系ラバーソールのサンダルには親和性を考えて修理をご提案します。どんな靴にも同じ修理法で同じ素材をただ機械的に付けて仕上げると、何も考えずに早く出来ていいようなものですが、結局は靴そのものにストレスを与えるので、あまり長持ちせずに不具合も出やすいです。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

コールハーンのタッセルローファー

マッケイ縫い仕様のレザーソールですが、ソールの真ん中に穴が開きかけて、つま先も摩耗が始まっています。使用を繰り返すことでソールの返りが付いて履きやすくなる(足馴染みが良くなる)と、その頃にはソールも傷んでくるので手を打ちましょう。

そこでそのダメージ部分に革をアタッチして量感を戻してハーフソールします。ソールの縫い糸が完全に切れてしまうまで摩耗させるとソール交換しか方法がなくなります。

新ビンテージスティールとつま先やハーフソール修理

after

ソールのダメージを丁寧に直して成形します。

同じような例として…

クロケットはシングルソール、スコッチはダブルソール。ともにレザーソールの本底のつま先をアタッチ修理してからハーフソールを付けています。

グッドイヤー製法はソールの剛性が強いので返りがつく前にさっさとつま先のみ摩耗しやすい傾向にあります。ヒール摩耗時の交換の際にはつま先もチェックしておくと良いですね。

それでは本日は以上です。

今回はつま先修理を中心にご紹介しました!

この秋冬も緋色舘を宜しくお願い致します。

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